麦雑穀工房マイクロブルワリー 原料生産 過去のトピックス | ||
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2012年1月〜6月J2012年6月25日 ライ麦とジャガイモを収穫 23日と24日の両日、晴れて乾燥した日になるとの予報。ならばこのタイミングでライ麦とジャガイモを収穫するぞと気合をいれた。たしかに、梅雨時にしてはまあまあの晴天。じっとりというほど湿気なく、予定通り作業を終えた。
その23日。午前中は畑に湿気があったので、ライ麦の刈り取りは午後になった。写真上段左端。刈り取りにはバインダーを使った。雑草やクローバーが繁るから、バインダーの先端を最大限浮かせて刈り取った。刃の周囲に草がジャムらずにうまく作業が進んだ。次の写真。刈り終えたらオスキジがやってきて2匹のモンシロチョウを追っかけまわしていた。麦類の収穫をすべて終えたこの畑、第一農場の茂みは減ったものの隣接する第二農場はキクイモをはじめトウモロコシやトマトなどが藪のように繁っている。彼らの棲みかにことかかない。その次の写真。いつものように、バインダーからエンジンを下ろして、脱穀機の動力源にする。 翌日24日、ジャガイモを収穫した。午前中に掘り終えて、陽射しが西の山に隠れるころまで畑で乾燥させておいた。夕方、いつものようにダンボール箱に取り込み、風の通り道になっている兔平の掘っ建て小屋に運搬。しばらくの間、ダンボール箱のフタをあけたまま放置しておく。 写真下右端。麦類と雑穀類を連作してきた畑に作付けたジャガイモ。無肥料。できがいい。麦類や雑穀類の後作には野菜類がよくできる。究極の自然栽培畑に作付ければこうなるのだろう。茎葉は小ぶりでも中くらいの立派なイモがごろごろある。来年も麦類や雑穀類の跡にジャガイモを作付けよう。左隣の写真。トマトに似ている、ジャガイモの実。 J2012年6月18日 アオバ小麦とナンブ小麦を収穫 アオバ小麦とナンブ小麦を刈りとって脱穀した。子実が少し軟らかいので低速で脱穀機をまわした。当日の午後早めのうちに収穫作業が終了、子実はパイプハウスに持ち込み天日乾燥をおこなっている。
写真上段左端より刈り取り直前のアオバ小麦、ナンブ小麦、来週収穫予定のライ麦。 写真下段も左端よりアオバ小麦の茎、手刈り作業中のナンブ小麦、アオバ小麦の子実、アオバ小麦とナンブ小麦の穂を比較。 さて、上段左端の収穫直前のアオバ小麦。この畝が最も成績が良い。そのせいではないだろうが、茎が折れている。写真では見にくいが、ところどころ茎が折れている。ほかの畝もところどころ茎が折れている。スズメが来たのだ。間違いない。農夫の立場からは手放しで喜べるものでもないにしても、スズメが戻った。ただし、まだまだ僅か。4年前までなら、無防備のままここまで畑で熟した大麦はすべてスズメの餌になっていた。ともあれ、かつての麦畑の姿に戻るきざしがみえたのだから、よい兆候だと思う。 今季は先に収穫した二条にくわえてアオバ小麦とナンブ小麦も収量が僅か。来年につなげる量を確保する。それよりもここにきてクローバーがうまく繁ってきた。今夏この畑はクローバーを繁茂させよう。 写真下段。アオバもナンブも茎数が少なく雑草が旺盛なのでバインダーが使えない。鎌で刈って一輪車に載せて東屋に運搬する。左端はアオバ小麦の茎。ナンブ小麦よりも太くしっかりしている。右端は両者の穂を比較。左がアオバ、右がナンブ。小麦といえば「農林61号」の身には、アオバよりも見慣れた穂姿のナンブ小麦が美しく見える。偏見そのままの気持ちを表現すると、アオバの穂姿は人工的。 J2012年6月12日 直轄農場の麦畑 3種の麦と麦跡。左からアオバ小麦、二条大麦跡、ライ麦、南部小麦。
左端。成熟してきたアオバ小麦。3列ごとの畝間にジャガイモを作付けしている。アオバ小麦もジャガイモもそろそろ収穫期になる。それにしても、この左端のアオバ小麦と右端の南部小麦。なんとも情けない茎立ち。スズメが姿を消して3年になる。野鳥の被害ではない、野鳥の食害ではなかった。この原因は脆弱な地力。地力を高める努力が不足している。これまで実施してきた夏草の還元だけでは不足なのだろう。茎莢の還元にくわえて積極的に作付ける緑肥も必要ということだ。 左から2番目は、二条大麦跡。ここはすでにクローバを刈払いして、ゴマを蒔いた。その右に成熟中のライ麦が写っているのだが。その隣、3番目の写真も同じ畑のライ麦なのだ。両者の撮影日には5日間のずれがあっても、肉眼ではほとんど同じ色合い。しかし、天候が違う。左から二番目だけが陽が射していた。ほかのカットはすべて雨曇り。カメラを通すと、こんなに色合いが違う。直轄農場とビーチャレ農場、両者の二条大麦の生育状況を比較した際にも同様だった。まあ、こうした現象は、携帯機器の世界ではカメラ搭載があたりまえの時勢に、なにをいまさら、でしょう。だが、人間ばかりでなく、二条大麦跡を横切っているキジネコも、おそらくほとんどすべてのどうぶつ達が意識せずとも、この色合いの補正を自然にやる能力を持っているのだろうなどと思い巡らして、あらためていきものの偉大さをかみしめたのだった。 ついでに刈払いしたナンブ小麦跡と第二農場(橋南)の風景。
・左端は刈払いしたナンブ小麦跡。ヤグルマギクが繁茂して、いま満開。クローバーが劣勢。 ・左から2番目はアカクローバとカキドオシが繁茂している畝と自家採種トウモロコシ畝。今年は2種のトウモロコシを作付けた。昨年たねの森から分けていただいたこの自家採種のゴールデンバンタムと自然農法国際研究開発センターから分けていただいたモチットコーン。 ・次はキャラウェイ。放任栽培。みごとに冬草と共存していた。 ・右端は着果を開始したカボチャ。先日まではウリバエの食害が気になったが、ここまで成長すれば大丈夫。今年はたくさんウリ類の種を蒔いた。すでにキュウリ、3種類のカボチャ、2種類のスイカ、マクワの芽が出て、蔓が延びたのもあればこのように着果したのもある。着荷すれば日に日に大きくなる。着果すると収穫日がやってくるまでわくわく待ち遠しい。 J2012年6月5日 直轄農場の二条大麦を収穫 直轄農場の二条大麦を収穫した。昨日は晴れ間がのぞいて子実の乾燥が進行した。そこで、いつでも収穫できるよう東屋の内外を整理するとともに、バインダーと脱穀機を整備しておいた。今日は曇り空だが、明日は台風3号の影響で雨だという。ならば直轄農場ではいまのうちに二条大麦を収穫してしまおう。
刈り取りにはジャンクものを引き取って再生したバインダーを活用する。しかし、直轄農場ではいつも「手刈りのほうがいいのか」と思いあぐねる。それは石油消費のうしろめたさよりも、絡みついた雑草や下草の存在である。それらがカッターまわりに詰まる。詰まれば作物を刈り取れず、倒しながら前進してしまうのだ。あぐねつつ、それでもバインダーを選択する。バインダーはさすがに機械力、重労働を肩代わりするし、仕事もはやい。手刈りでは老体にこたえるし、ぐずぐずしていてはほかの九十九仕事に影響がでる。 脱穀は単機能の脱穀機。99年、同僚から頂戴してオーバーホールをおこなった。当時でも年代物。単純な構造なので、たいへん気に入っている。バインダーのエンジンを都度、下ろして動力源にしている。 ついでに大麦とともに収穫期をむかえたソラマメとビックリグミ。 自家採種のソラマメ。雑草と共生して大きな莢をつけた。なかにはたくさんの莢をつけた株がある。美味しい。こんな美味しいソラマメを食える幸せ、贅沢を堪能する自認百姓である。 一方のビックリグミは野鳥に突っつかれている。なり元に銀紙をつけておけば突っつき傷のない実が収穫できるのだが。まあいいか。人間へのわけまえは。今年は野鳥のお腹がすいているようだ。沢沿いに点在する桑の大木に鈴なりしている桑の実も、順次熟しているはずなのに黒く熟した実がみあたらない。これもいまのところ野鳥の餌になっている。もう少し待てばこちらにもおすそ分けがまわってくるはず。 J2012年6月3日 二条大麦の生育状況 左がビーチャレ農場の二条大麦。あの霜里農場である。今季はバイオガス発酵槽から生まれた良質の液肥をいれていただいた。茎立ちが多いばかりか、穂に重量感がある。
右が直轄農場の二条大麦。麦も雑草も区別なく栽培している。それにしても、このように両者の成熟期が揃い、その穂茎を左右に並べて比較したのは始めてのこと。第一印象が茎穂の色だが、霜里よりも薄くみえるのは光線のせい。霜里で撮影したときは曇天、直轄農場に移動したら陽が射した。しかし、なんといっても、茎数/穂数が少ないばかりか穂のサイズが小さい。もっと、しっかりと、クローバーを育てて地力を向上させねばならない。 さて、両農場の二条大麦ともに大方の穂首が湾曲している。晴天続きならば収穫どきなのだが。このところ気まぐれに晴れ間がのぞくときがあるものの連日のように雨が降る。子実を噛んでみたところ、チョット軟らかい。収穫際を6月9日に予定したのは正解。週間天気予報によれば今週は曇りがちだが降雨は6日(水)だけ。8日(金)後半は晴れ間が広がるという。予報通りなら、9日(土)は絶好の収穫日和だ。 J2012年5月31日 野生からのおすそわけ−向夏の果実 山際にある第三農場に隣接した里山周辺ではいまごろ実る自生の果物類がいくつかある。そのなかから作業中にみかけた、美味しそうに熟したクサイチゴ(左)と野鳥に発見されずひっそり育った山椒の実(中)を撮影した。これらは4月花期の果実にも紹介した。
ついでに自然力栽培のソラマメ。空を仰いでいた先端が、実が入るにしたがい下向きになる。このころになると、自然力栽培では大方の莢が草のなかに隠れる。草を避けると、なり元付近に着果した莢の先端が地面にへばりついて、重くなった幹を支えている(右)。数日もすれば、下段から順次、莢の筋が黒色をおびてくる。収穫の合図だ。 J2012年5月24日 二条大麦の生育状況 左は5月19日。穀粒が充実して籾がわずかに黄金色をおびている。右は24日。穂首の湾曲がはじまった。いま子実水分が40%ほど。
ビ−ル麦の子実水分が低下してゆく速度ははやい。佐賀県農業試験研究センター「佐賀県麦栽培指針」によれば、成熟期前後の麦の穀粒水分は小麦で1日当り2%、大麦で3%低下するという。穀粒水分20〜25%がビ−ル麦の収穫適期。すると、もしもこのまま晴天が続けば5月末あたりが収穫適期になるのだが、明日は雨模様だし、来週も曇天や雨の日があるとの予報である。 ところで、今季はビール麦の生育状況をたびたび報告している。それは自身の生活圏内にある直轄農場に作付けした二条大麦が霜里のビーチャレ麦と同一品種であるうえに、蒔きどきがずれたものの穂が充実するにつれて両者が同様の成熟状況を見せるようになってきた。このため、観察や撮影が日常のなかでできるからだ。 J2012年5月15日 ビーチャレ麦の生育状況と自給農場の麦畑 ビーチャレ麦の収穫際が6月9日に決まった。さて、これからの生育ぶりが気になる。
左がビーチャレ麦の生育状況。右が自給農場のビール麦。今季は同一品種「ニシノチカラ」を蒔いた。自給農場の方が二週間早く播種したが、両者ともほぼ同様の生育状況。先週よりも穂が充実するとともにノギの先端がわずかにサーモンピンク色を帯びてきた。理想の生育状況である。6月9日が楽しみだ。 なお、この二条大麦は閉花受粉性なので花弁が開かない。つまり開花しない。 こちら3枚の写真は自給農場で生育中の麦類の足元と青刈り跡。いずれもクローバーが育ってきた。左が二条大麦の足元。中がライ麦の足元。右が青刈り跡。
今季は播種列に白クローバ、列間に赤クローバを蒔いた。この段階では白赤が区別できない。赤クローバは背が伸びて麦莢に絡まる。熟した麦を収穫してハザ掛けしても、絡まった赤クローバの乾燥が進まず、カビがはえる。白クローバは背が伸びないのでその懸念がないはずだという期待である。 J2012年5月13日 ビーチャレ麦の製麦が完了 昨年収穫したビーチャレ麦の製麦が完了。今季は製麦開始が4月。例年よりも大幅に遅れた。パイプハウスの設置工事や工房の貯酒庫の改修工事やらを優先したりそうせざるをえない事象が発生したりもした。であっても、梅雨入り前に終えることができた。
当初、天日乾燥をパイプハウス内でおこなってきた。しかし後半には従来どおり、庭先方式に戻った。庭先は風当たりが強く、風向きが頻繁に変わる。こうした谷津特有の環境条件をマイナスにとらえていたが。実は、天日乾燥に好条件の場所であることはじめて認識したのだった。 写真左から、 ・天日乾燥を終えて焙燥工程、よく乾燥していればおよそ12時間の工程。ときどき上下のトレイを入れ替える。 ・焙燥終了。Ale麦芽。籾殻と根の色が赤茶色をおびる。この香り、皆さんに嗅がせてあげたい。 ・根掻き工程。脱ノギ機を活用している。根だけがきれいに排除できる。 ・脱ノギ機から排出された根。これも素晴らしい香り。ここだけの香りになっているのだが。山椒の専門家から聞いた話では、密閉容器で冷凍すればこうした香りをしばらくのあいだ閉じ込めておけるそうだ。試してみよう。 J2012年5月7日 自給農場の麦畑−アオバ小麦と南部小麦も出穂 4種の麦。左からようやく出穂開始のアオバ小麦、先月20日に出穂した二条大麦、つぎも先月20日に出穂したライ麦、ほぼ穂が出揃って開花をはじめた南部小麦。
アオバ小麦(左)はこんなに晩生だったか。これら4種のなかで突出して出穂が遅い。およそ10年近くも作付けしなかったのはこのためだった。この種がうまれたのはこの地よりも温暖な房総。かの地ならもっと生育が早いのだろう。 南部小麦(右)は雑草が優勢。疎蒔きが原因か。ライ麦連作跡ゆえ地力が弱いか。およそ30列のうち手前の数列だけがものになりそう。雑草が勝るほかの列は青刈りしてクローバーを優先させよう。その青刈り予定列の背後に、穂が揃って壁のようにみえるのがライ麦。 J2012年5月2日 パイプハウスをつくるを掲載 パイプハウスをつくった。大きさは3.6m×9m。3月6日にはじまった予定地の準備、13日の工事開始から15日までの途中経過はすでに掲載していた。その後も順調に工事が進んで、3月26日に完成していた。
日程のうえでは工事開始から完成までおよそ三週間もかかっている。ここへの掲載にあっては完成から一ヶ月あまりも経過している。もたもた、のろまが性分。だとしても、ほかの百姓仕事のあいまをぬっての間欠的作業。くわえて、この工事を通してパイプハウスがどういう仕組みでできているかを知ったほどに無知だった。そうであっても、これに専念すれば1週間ほどの手間で完成する作業量だった。 J2012年4月26日 雑穀エキスパート牛田典子さんによる突撃レポート第1回日本雑穀協会発行J-Millet通信2012/2に掲載 J2012年4月20日 自給農場の麦畑−大麦とライ麦が出穂 二条大麦(左)とライ麦(中)が出穂。ついでに満開のソラメマメ(右)。
今朝6時の時点では「この気候では数日後か」と思っていた。日差しのない日が続くという予報。 工房では早朝から二代目が雑穀ヴァイツェンの仕込をやっている。夕方、工房で麦芽粕を受け取り、畑(橋南)に還元するため、農場に二度足をはこんだ。17時ころ、作業終了後、期待したわけではない。隣の畑(橋北)を観察したところ、2種の麦が出穂していたのだ。この季節、イネ科の成長は著しい。たとえば竹。マダケで1日(24時間)に121cm、モウソウチクで119cm伸びた記録があるという(林野庁/竹の性質)。 越冬作物にはこんな寒さでもやはりこの時節。陽が高くそれなりに土の温度があがっているのだろう。ソラマメも急成長してこんなに花を咲かせた。慣行栽培ではへそに届くほどの背丈になるというが、自然力栽培では一尺ほどがせいぜい。葉の色が淡く、着果する莢の多くは地面にへばりつく。 J2012年4月19日 野生からのおすそわけ−4月花期の果実 山際にある第三農場に隣接した里山周辺ではいまごろ花期になる自生の果物類がいくつかある。そのなかから、作業中にみかけたいくつかの花とつぼみを撮影した。
左からウグイスカグラ。ちいさなグミ。熟すのは6月。木は人間の背丈ほど。半日陰のところに多い。 山椒。ピリッと辛く、香りもすばらしい。若葉、花、若い果実、完熟すべてである。醸造場では完熟した実を山椒ポーターに使う。しかし、鳥がついばむのだろう、野生では完熟実が少ない。日照が強いところ、暗い針葉樹の根元、どこにでも自生する。とくに、谷津に点在する民家の周囲や雑木林にみる。 草イチゴ。ジュースをたっぷり含んだ甘いイチゴ。大麦を収穫するころ熟す。斜面や道端のあっちこちに群生する。 アケビ。普通は高木の林冠や枝の先端にぶら下がるのだが、自然豊かなこの地では腰くらいの高さにもある。農場前には町道のフェンスに絡まっている。10月下旬、実が熟す。 コウゾ。まだつぼみ。コウゾの開花はおもしろい。風のあるとき花が開き、パチンと杉鉄砲や茶の蕾鉄砲のように花粉を飛ばす。梅雨期、コンペイトウにそっくりに熟した実は陽を浴びて透けたように美しい。食べると、ねばりがあって甘い。 こちらは里山の人工自然−4月花期の果実 左からスモモ類。ナシ。ブルーベリーのつぼみ。ビックリグミのつぼみ。
ところで、写真左のスモモ類と桜である。左右のソメイヨシノの間に数本のスモモ類がみえ、その奥に山桜が点在している。今年は例年と違う。なにが違うか。いろんな花の開花期である。ひとつはここのソメイヨシノおよそ30本の開花期間。なが〜ぁい。この期になってもまだ満開。もうひとつ、背後の斜面に自生する山桜。これら山桜のほとんどが同時開花となった。例年ならこんなことはない。そもそも山桜は種類多く、ものによって開花期がかなりずれるものだ。それらがほぼ一斉に咲いている。いうまでもなく昨年晩秋からの低温が影響している。 J2012年4月17日 自給農場の麦畑 4種の麦。左からアオバ小麦、二条大麦、ライ麦、南部小麦。今月は周期的に雨が降った。麦の生長にぐあいがよい。さみだれならぬ4月雨であった。
アオバ小麦はその名なのとおり、葉色が濃くみえる。早稲の二条大麦はカエルを飲んだ青ちゃんのように、茎の中央部がぷっくらと膨らんだ。いまにも幼穂が顔を見せるのではないか。ライ麦はこれから急速に背が高くなる。まだ膝ほどの背丈しかないのに、すでに風にそよぐしなやかな茎の姿に育った。南部小麦は、この段階から、どっしり構えた姿。じわりじわり、しっかり、太い茎に育つはず。 J2012年4月9日 ビーチャレ麦芽の製麦まっただ中 沢沿いのソメイヨシノのつぼみが大きく膨らみ、いまにもはちきれそう。雑木の芽吹きとともに山肌が赤みを増すころ、この山中では麦芽製造にうってつけの季節になる。いまだに一部未完成のまま温度制御が不十分な自然エネルギーにたよる発芽システム。気温が極端に低温になったり高温になったりすると浸麦槽&発芽槽を適温に制御しきれていない。それでも今季は、麦が出穂期を迎えるまでの短いあいだ、このシステムをフル稼働することでなんとか乗りきれそうである。
写真左は、はじめてのパイプハウス活用。このサイトのページは追って完成の予定だが、物的なパイプハウスが完成した。育苗や穀類・緑麦芽の天日乾燥をおこなう。はじめてのパイプハウス活用で、はじめて緑麦芽の天日乾燥をおこなったわけだが、思った以上に「ハウス内は高湿度」。巻上げ換気だけでいけるかどうか、もう少し様子をみる。写真右はハウス内で5日間天日乾燥後、焙燥をおこない、根掻き作業中。5日間もかけてじわじわと乾燥した麦芽が仕上がりにどのように作用したか。 J2012年4月6日 放任栽培かなわぬエンドウとソラマメ 幼苗で越冬したエンドウ(左)とソラマメ(右)が成長をはじめた。この両者はとくに雑草がよく茂る畝を選んで作付けする。畑のなかで、もっとも養分を蓄えていそうなところである。そのためこの季節にはそういう場所に茂るハコベやオオイヌノフグリも急成長してくる。むしろ、ハコベやオオイヌノフグリの方がより旺盛。かれらの方が圧倒的に個体数が多く、作物よりも早くから発芽していたから大株になっているのだ。厳寒期、こはじもや赤城おろしから作物を守ってくれた雑草ではある。しかし、作物が劣勢となってはいたしかたない。みかねて例年、この両作物にかぎって、草刈りを実施する。
啓蟄から1ヶ月過ぎたのに、作業中みかけるいきものはナナホシテントウだけ。ともかく、かれらの生活環境をできるだけ乱さないよう、土が露出しないよう、ほどほどに作物の周辺だけを間引く程度に軽く刈る。 幼苗で越冬する作物にあっても、アブラナ科のキャベツやノラボウ菜、セリ科やユリ科の作物は放任でよくできる。夏作物のウリ類やトウモロコシなどは育苗移植すれば放任でokだ。 放任栽培の筆頭はなんといってもキクイモ。雑草があろうがなかろうが、石がごろごろあっても、木の根が這っていようが、おなじところで毎年、できすぎるほどよくできる。放任栽培するには、種の選択がたいせつということを教えてくれる。 J2012年4月5日 キャッパーの修理 イタリア製キャッパーの手動弁を国産ものと交換した。ところが症状が変わらない。実は不具合の原因はシリンダーの寿命だった。そこで適当な国産シリンダーをディスカウンターから入手した。
エアー系統にかんしては知識がゼロ。標準寸法があるにはあるようだが、どうやら入手したシリンダーは特注品らしい。そうでなくともイタリア製部品と国産部品をつなぐには苦労する。エアー回路を回復するためのパーツ探しをはじめてすでに8ヶ月経過。試行錯誤の末、「7/16、M12より少し細くてピッチはM8に似ている」との情報を得た。フレアネジの流用とテフロンチューブを加工することで最後の詰めがうまくいきそうである。 取り付け寸法もしかり。この分厚いステンレス板というよりステンレスブロックに12φ4個と40φの穴1個をあける。5ミリまでの小さい径の穴あけならステンレス用のドリルがある。しかし12φと40φ。鉄鋼用ドリルであっても水道水を流しながら低速でドリルをまわせばなんとかなるかと思ったが甘かった。一つ穴を開けるたびに12φのゴールド色ドリルがオシャカになる。たった5個の穴あけに一日仕事。エアー系統、ステンレス加工、両者とも素人百姓が手を出すと苦労する。 J2012年4月3日 すばらしい育苗土をつくる、しんがり役はカブトムシの幼虫 果菜類の育苗をはじめる時期になった。去年のいまごろ、山際に積んでおいたクヌギの落葉が、すばらしい育苗土にすがたを変えている。ここに棲む菌類やちいさな生き物たちの生命活動のおかげである。カブトムシの幼虫がしんがりをつとめた。ほんとうに、たったの一年で、このようにすばらしい団粒土になる。ありがたい、ありがたい。
いきている団粒土。いきものを稲ワラで保護している(左)。稲ワラをどけると、大きく育った幼虫がいるわいるわ(右)。暖かくなってきたせいか表層にもいる。かれらの生活をできるだけ乱さないように、元気よく大空にとびたつまでは団粒土のおすそわけを少しずついただく。 J2012年3月26日 自給農場の麦畑 4種の麦。左からアオバ小麦、二条大麦、ライ麦、南部小麦。
今年は寒い。彼岸から一週間も経っているのに早朝の気温が連日氷点下。それでもおよそ3週間前と比べれば茎たちが明確になった。じわりじわり育っている。 J2012年3月23日 パイプハウスをつくるを掲載 パイプハウスをつくることにした。ビニールハウスともいう。近々完成の予定。
BDFドラム缶を移動して設置スペースを確保(左)。組立て中(右) J2012年3月6日 自給農場の麦畑 スギ花粉が本格的に舞い始めている。今日は暖かい。明日も暖かいという。昨日までの寒さがひとやすみ。先月より数回にわたって雪やミゾレが降った。長いあいだ乾燥していた畑では天水を受けた。陽もだいぶのびた。自給農場の麦類の様子はどうなっているだろうか。
写真は左からアオバ小麦、二条大麦、ライ麦、南部小麦。4種とも11月上旬に蒔いた。 梅の開花が1ヶ月も遅れただけあって、生育が遅れている。品種の相違が遠方からだとまだ区別しにくい。とはいえ、どれもが新葉の展開がはじまり青々としてきた。よくみると、小麦に比較して早稲の二条大麦と寒さにめっぽう強いライ麦たちが茎たちはじめている。自給農場の麦類たちは確実に春を感じとっていた。 J2012年2月29日 おがわの雪 早朝から雪になった。こんな日でも、すでに工房では仕込作業がはじまっている。原料100%自給を夢みる翁は麦おろし工程をちょっとだけ覗く習慣になっている。雪景色を楽しみながら、新雪にキュッキュッと足跡を残しつつ、往復6kの道のりを歩いた。雪の日は静かである。音ばかりでない。表通りにでても、まったく人影がない。不気味なほど静かである。
帰り道、直轄農場に沿った町道から福寿草がみえた。黄色と白のコントラスト。雪を分けて顔を出せるほどに茎が伸びたのだ。かれん、せいそ。しかし、霜の通り道特有の寒風にも、こんな雪にもめげない力強さを秘めている。見えない根、見えない部分が支えている。ひかえめながら根気、根性がある。あやかりたい。 ついでに自慢の製麦施設も覗いた。常々、われながら風情があると思っている。それにくわえて雪景色はふだん見慣れた景色と違う。「魔法のよう」とはよく言ったものだ。改めて、こんなに違うものかと思う。なにやら、わきいでるものがあるにはあるとしても、山奥にひっそりたたずむ秘湯にしつらえた、その場しのぎの簡易脱衣場のようではないか。 J2012年2月28日 月刊酒文化(連載最終回)と日本経済新聞 s月刊酒文化 2012年3月号14p〜15p『原料自給をめざす地ビール起業のネットワーク』 s日本経済新聞(夕刊)2012年2月15日7面らいふプラス 自然がおいしい町 埼玉・小川町 J2012年2月19日 今日のビーチャレは麦踏みと味噌仕込 早朝の気温がマイナス8度。直轄農場、霜里農場ともに、である。だが陽が昇ると暖かい。昨日の冷たい強風とは一転。今日は、おだやかな快晴の好天、屋外イベントに絶好の日和になった。
今日の地ビールチャレンジは麦踏みと味噌の仕込み。大勢での麦踏みは1時間ほどで終了。メインは味噌の仕込み。昨年12月4日のイベントで収穫した青山在来を使用。 写真左の大きな釜。洗った大豆をまる1日水に漬けて茹でてある。前々日の夜からスタッフの皆さんが準備された。写真右では塩をまぶした麹と潰した大豆を混ぜあわせている。スタッフも参加者の皆さんも手際がよい。皆さん、手づくりポットラックを持参するくらいだから、自然であれ意識的にであれ、素晴らしい伝統の食文化−味噌の製法−をあたりまえに学習されてきたのだろう。本来なら近縁の−酒類の製法−もそうあるべき。 釜の底に残った煮汁がおいしい。もともと青山在来は甘いので、とても甘い。それもやさしい甘さ。麦汁に似ている。大きな分子のデキストリンを含んだ健康飲料だ。 J2012年2月18日 春の小川 春の息吹 春の小川。この語はこの季節、工房で醸造する春霞エールの呼称。一方、こちらの直轄農場まわりでは春を告げるいのちの息吹。
今季はまだ寒い。例年、元旦にはぽつぽつ咲き出す八幡神社グラウンドの北側道に沿って並ぶ梅がここにきてようやっと咲き始めた。いまだに農場周辺では朝の最低気温がマイナス5度前後を推移している。しかし、日がのびた。朝夕はともかく平均気温があがってきている。春を待ってたかれらは確実にそのときを感じとった。たしかに枯れ草や落葉に守られた地面は陽さえのぞけばポカポカ春うらら。 ふきのとう。これは八ツ頭という栽培品種なのだが、里山沿いの空き地や畦のあっちこちに自生する。野生種の山フキはこれから。山フキの発生場所はおもしろい。この周辺では南東一直線の山腹に沿って自生している。タンポポのような綿毛をつけた種子が南東の風に乗るのだろう。 福寿草。第二農場(橋南)の町道に面して数十株ある。ただし、咲き出したのはまだ数株でしかないうえに、地面にへばりついて咲いている。真上からしか存在が分からないから、今の段階では町道から見えない。茎が伸びる前の福寿草。ひっそりと咲いている。かれん、せいそ、という言葉が似合う。 J2012年2月14日 薪割り機の修理 薪割り機のガイドを固定するボルトが折れた(写真左)。相手側のナットは本体に溶接されている。折れたボルトをとり外すのに少々手間がかかったものの、金属類の屑箱から同じサイズのボルトを探しだして組みつけた。修理というほどでもない。保守とでもいうべきか。
それにしても、このような動力機械が、なぜこのページを運営する自認百姓の手元にあるのか。ほかの動力機械もいくつか転がっているのだが。これに限定すれば、伐採や玉切り出しほどの重労働でもない作業、客観的に興味本位なのか。つまり、薪割り機というものがあるのなら使ってみたい。油圧とはいえ、100ボルトで動く。1.5kw。ということは2馬力。電動=静か。こんなコンパクトなモノで7tの能力があるという。どれほどの怪力なのか。どんな仕組みなのか。などいえば、斧を振りあげている方々の多くは関心を寄せられるのではないか。 この機械で薪割りをはじめて4年になる。これまで入手した薪では太くとも直径50cm前後。クヌギ、ナラ、サクラ、ケヤキ、クワ、カシ。こういったたぐいの樹木は繊維が素直なので気持ちよくパカーンと割れる。ただし根元や節のある部分など、繊維が絡んだものはなかなか真っ二つに割れない。一気に二つ割りにせず、周囲から少しづづ割るとうまくいく。まあ、斧よりは安全なのだから一応、実用性のある機械といえる。 ところで今回の、薪割り機の折れたボルト。じつは、当初から緩んでいたのに気づいていたし昨年になって、ついに折れてしまったのも分かっていた。ガイドがフラフラして不便だった。なのに、今まで、だましながら使っていた。 ここのところ、いくつかのモノの保修や細工作業があいついでいる。この季節だからとはいえ、ここにきて、ようやっとそんな活動ができるだけの余裕がでてきた。農具小屋に転がる機械に目をつぶれば、百姓生活に向けてわずかに前進だ。 J2012年2月6日 火持ちのよいニセアカシア 近隣の親しい方から薪をいただいた。すでに植木職人が伐採したあとだが長いままの巨木もあったので、去年再生したいかつい87年製のチェンソーで玉切りして、自宅の庭に運搬した。樹木はニセアカシア。硬い。火持ちするオキができる。燃料に適した資源である。
百姓の薪の確保は百仕事のうちのひとつ。ほかの九十九も大方は同じように重労働、手間がかかる。しかし、こういうことをやっていれば争いなど無縁で平和だし、たいへんこころ豊かで幸せである。 さて、このお宅にはニセアカシアの大木が少なくとも5本ほどあった。初夏になれば、たくさん房状にぶら下がる白い花を楽しませてくれていたのだが。あまりに大きくなりすぎたので、地つづきのお宅に迷惑がかかると困るとの配慮から、やむなく伐採された。 ニセアカシアは帰化植物。だが、有用なところが多々ある。アカシアのたぐいはマメ科である。マメ科植物は特有の根粒菌がとりつくため成長が早く、ほかの種が育たないような荒廃地でもよく育つ。この性質は破壊された自然環境の復元に活用できる。自然農法の創始者として諸外国でも有名な福岡正信さんは、生物多様性や土壌改良の観点から「モリシマアカシアを果樹園に植えるのがよい」(『わら一本の革命』p79)という。寒いところではモリシマアカシアに代えてフサアカシアがよいともいう。ただし、8年もしたら電柱ほどにもなるとすれば「邪魔になるなぁ」などと案ずるのは半端な考えか。 J2012年1月31日 キューイとニガウリの棚 今季はこの時期に境木や果樹類の剪定作業をやっている。そのあいまに、キューイとニガウリを這わせる棚をつくった。昨年解体したニガウリ専用の棚の一部が再利用できる。とすれば、なかば移設というべきかも知れない。
その、なかば移設する棚に、キューイとニガウリの両方を這わせる予定なのだ。多年生植物のキューイを林冠状に這わせて、一年草のニガウリを南面の壁状に這わせることで、生活空間を棲み分けさせる算段。競争を回避しながら共存するはず。手抜きであっても、ことによったらうまくゆくかも知れない。 キューイは放任栽培だった。ガレージ近傍に植えて8年、この場所に移植して10年ほどになる。けっこう大きな木になった。それでもここ数年、ようやっと親指の先端ほどの大きさの実を2個か3個つけるようになったに過ぎない。ことによったら、棚づくりにすればそれなりに実るかも知れない、との期待である。 このキューイはいわゆる改良品種だろう。果肉が黄色のゴールデンなんとか。実が小さいのは、近くにあるサルナシの花粉を受粉するのかどうか分からない。サルナシと交配すればより自然志向の果実になるわけだから、むしろその方がおもしろい、か。 一方のニガウリはこれまで、この畑の隅に棚を設置して、同じ場所で毎年つくってきた。そろそろ場所を変えようかと思っていた。 移設場所はブルーベリーの列間。この列間が6mもあるので山ウドを植えてあったのだが。ウドのこと。大木になって、大木になって。ウドの大木。たしかに、大木になったら使い道がない。ウドの新芽は、とりわけ美味しいのだが。邪魔になったので山中に移植した。ブルーベリーが落葉すると、6mの列間が広くみえる。 昨日、山から真竹を3本切りだした(左)。これを使い、4本の柱だけは新調する。真竹といえどもけっこう太いのがある。太いのは割って筋交いに利用する。 なかば移設ということもあって、仕事がはやい。日が短いにもかかわらず、暗くなる前に基本部分が完成した。 J2012年1月30日 石巻の仮設住宅に住むひとり住まいのお年寄りとの交流プロジェクトの案内 J2012年1月19日 電動工具の修理と整備 充電式インパクトドライバを修理。ついでに、時々動かなくなってきた丸ノコを整備した。
ここ数日、合間をみては母屋西壁の仕上げ工事をやっている。この最中に丸ノコとインパクトドライバの不具合が許容範囲を超えてきた。 母屋西壁は長年放置したままになっていたところ昨年夏、断熱材を貼った。今、進行中の工事は外壁材の取付。いわば仕上げ。長年、記憶の一部を占有して閾値レベルをいったりきたりしていた事象のひとつが具体的に解消の方向にあるわけだから、ひとり感慨ぶかいものがある。 仕上げ材は一昨年、製麦施設の建材として製材所からいただいた端材に含まれていた杉板。板厚25mm×幅30cmほど×長さ4m余りの立派な板目材が27枚。カンナをかけてないがそのまま使う。数年間、雨ざらしになっていた様子で風情がある。 さて、丸ノコの不具合。原因はブラシの接触不良。スイッチを入れても動かない。手でノコ刃を少しまわすと、しばらく動く。まったく機能しないわけではないので、だましながら使っていた。この「だましながら」のくだりは身のまわりのいろんな場面、いろんなモノに存在している。身にしみる、身につまされる。 ところで、電動工具の動力源は大方が直流モーター。このタイプのモーターは整流子(ブラシ)から回転子の電磁石に電流を流して回転力を得ている。整流子を歯ブラシにたとえれば回転子が歯に相当する。ここに電流を流すのだから、熱が出る、火花も出る、カーボンが付着する。数年もつかえば不具合が生ずる。したがって、はじめから整備しやすいようにつくってある。マイナスドライバーで両側のブラシを外してグリスを塗り、組み戻せばよい。 一方、要修理の充電式インパクトドライバ。2台ある(写真中央)。なぜ2台なのか、言い訳。私の百姓仕事は古材や端材を活用するのが前提。古材は下穴を空けずにビスや釘を打つと材料にヒビ割れがでやすい。ドリルで下穴を空けてからビス留めをする。したがって、下穴開けとビス留めを交互に繰り返す作業が多い。そのたびにキリとドライバービットを入れ替えるのは大変。それに、パワーの差も欲しい。軽快につかう用途、多少重くとも強力な打撃を要する用途、である。 修理に話題を戻そう。板に乗せて分解した状態のもの(写真中央)。SHINKO製。コードレスインパクトドライバーともいうようだ。7、8年前に購入したように思う。動作が不安定。動いたり動かなかったり。動かないとき、電池を斜めに押すと動くときがある。電池の接触不良である。比較的簡単に原因がつかめたのだが、修理するにはカバーを外さねばならない。 となると分解なのだがこれまでの経験では、このタイプの電動工具はカバーを外すと、ほとんど全ての部品がころげ落ちる。専用治具なしに、もとに戻せるのかどうか。まあ、このままでは使えないのだから、ともかく分解することにした。分解は思ったよりも簡単。特殊というほどでもない、直径の細い+ドライバーを要しただけ。 修理内容は、電池との接触部分を点検して、接触不良を改善する。実際には電池と接触する爪同士の幅をほんの少し狭めれば完了。ただし、簡単にもとに組み戻せるのか。何度も組みなおしてみたのだか、軸がぶれている。ドリルの生命線であるところの軸が定まらない。軸がぶれると、センターが合わず、穴径が大きくなるし、なによりこの本体自身に致命的な損傷を及ぼしかねない。明日もう一度チェックしてみよう。ドリルの軸がぶれては具合が悪い。ん。ぶれない軸の大切さはドリルに限ったことではなかった、か。 麦雑穀工房トップページへ |