麦雑穀工房マイクロブルワリー
   原料生産 過去のトピックス

2013年7月〜12月
・門松づくり
・寒さにめげない作物たち
・製麦開始
・大豆の脱穀選別
・麦畑にアカクローバ追播
・大豆の収穫/乾燥/脱穀
・いろづきはじめた柑橘類
・直轄農場の麦まき
・雑穀類の唐箕選
・やまぎわの自然から---
・麦類の受付と発送を終了
・アワ/キビ/---選別
・土と平和の祭典2013 ・アマランサス収穫
・ヒマワリを脱穀調整
・アワ/キビ収穫
・台風一過
・ヒマワリ収穫
・アワ/キビ/---出穂
・猛暑の雑穀
・雑穀畝の草掻きを強攻
・雑穀類が発芽
・ライ麦/小麦の乾燥/調製
・ウリ類着果

2013年1月〜6月
・ピンコロ敷設
・種差しあげます受付終了
・直轄農場の麦を収穫
・ビーチャレ麦の収穫祭
・二条大麦と小麦の登熟状況
・麦の様子
・小麦とライ麦が開花中
・麦の収穫祭6月1日に決定
・直轄農場の麦畑
・茅葺工事
・今季最終ロットの製麦
・[東武東上線さんぽ]に掲載
・畑に侵入するクヌギの根
・彼岸の中日−桜が開花
・二条大麦が出穂
・この陽気
・直轄農場の麦畑
・冬眠を邪魔する作業
・麦踏みの一方で製麦作業
・稲藁を梳く
・ススキの莢を収穫

2012年7月〜12月
・自然力の雑穀類2012を掲載
・門松をつくる
・モグラの引越し作戦
・丹波黒脱穀/麦芽コロニー
・谷津の短日
・ビーチャレ麦踏み
・古民家の炊事場
・放射性物質の影響検査
・サツマイモと麦の二毛作
・大豆を脱穀
・アマランサスを脱穀
・製粉とふるい
・直轄農場の麦まき完了
・ゴマの脱穀と調製
・物置の雨漏り修理
・ネコジャラシを収穫
・保冷庫を拡張する
・猛暑日が続く
・ひと粒ひと粒
・ウリ類の着果まっさかり

2012年1月〜6月
・直轄農場の麦畑
・二条大麦を収穫
・二条大麦の生育状況
・野生−向夏の果実
・ビーチャレ麦の生育状況
・ビーチャレ麦の製麦が完了
・野生−4月花期の果実
・ビーチャレ麦芽の製麦
・放任栽培かなわぬエンドウ
・キャッパーの修理
・すばらしい育苗土をつくる
・おがわの雪
・今日のビーチャレ
・春の小川春の息吹
・薪割り機の修理
・火持ちのよいニセアカシア
・キューイとニガウリの棚
・電動工具の修理と整備

2011年10月〜12月
・製麦システム心臓部の部品
・石巻復興エール足がかり
・発芽装置に熱交換器と扉
農場周辺のどうぶつたち
・茅葺工事
・月刊酒文化12月号
・廃天ぷら油に適応させる
自然力の雑穀類2011
・石巻大麦、製麦が完了
・はじめての浸麦発芽装置
・麦まき完了
・自然のおすそわけ
・麦類の発送作業中
・雑穀の収穫と精白
土と平和の祭典2011

2011年4月〜8月
・二つの雑誌に掲載
・刈払い機のオーバーホール
・STIHL024AVの再生を掲載
・熟したビワ
・ビーチャレ麦の収穫
・雑穀の種さしあげます受付開始
・チッパー入手
・麦秋
・イノシシは本来の自然を取り戻す

2011年1月〜3月
・給水配管工事が完了
・中古脱芒機を入手
・お見舞い申しあげます
・里山の資源(クヌギ落葉)
・チッパー入手
・茅葺の準備
・剪定作業を終えた

2010年12月
・どんぐりコロコロその下は
・連日の剪定作業
・剪定作業と自然農法
・製麦施設の電気工事-3
・ホップのプランターAB
・ビーチャレの案内
・12月上旬の麦畑
・はじめての六条麦製麦
・ジグソーの修理

2010年11月
・ホップのプランター@
・少量の脱穀(タカキビ)
・電気ドリルのOH
・蒔き直した緑肥麦
・湧き水の配管
・タマネギの定植
・ビーチャレの種まき
・天候に恵まれた農作業
・万石の性能試験-1
・はじめての精米麦機
・製麦施設の電気工事
・越冬作物の播種と植付

2010年10月
・放任栽培と植物マルチ
・ポンプのメンテナンス
・麦類の種を発送
・浸麦装置
・アケビと自然薯ムカゴ
・乾燥焙燥トレイ製作
・野生シバグリを収穫
・野生ホップを収穫
・麦まき一ヶ月前
・クヌギのメッセージ
・土と平和の祭典

2010年09月
・育苗土
・端材の活用
・ビーチャレ麦芽100%
・里山ビールの原料
・雑草ビールの原料
・ビーチャレ麦の製麦
・緑麦芽の芽
・製麦施設の建物工事F
・BlogLike設置
・ドングリと人工自然
・野生ホップ

2010年08月
・製麦施設工事B〜E
・敷き草マルチ農法
・里山の幸(梨とヤマブドウ)
・害獣害鳥と化した野生
・たくましい野生種
・ブルーベリー収穫開始
・防獣ネットを破る
・小麦の調製と粉砕

2010年07月
・キジとアオダイショウ
・緑肥クローバー
・ビア樽保冷箱を製作
・農業共済新聞に掲載
・毒をつかう慣行農法
・里山ビール/ドクダミの原料
・里山ビール/蜂蜜
・玉虫とカミキリ虫
・籾摺機のOH
・製麦施設の排水工事
・『地域デビュー・・・』に掲載
・里山ビール/ヤマモモの原料
・製麦施設の給水工事
・産経新聞朝刊に掲載

2010年06月
・製麦システムの選別装置
・製麦施設の給水工事
・製材所の端材到着
・小麦の収穫
・六条大麦を天日乾燥
・ビーチャレ麦収穫
・麦とクローバー

2010年05月
・給水工事(取水)
・ビーチャレ収穫日が延期
・大麦秋
・和製ホップ、野生ホップ
・3種の麦
・製麦施設予定地周辺
・小麦の開花
・中耕管理機

2010年04月
・電力線の敷設
・『いなかスイッチ』春号に掲載
・冷却機の設置
・農林水産省の広報誌「aff(あふ)」3月号の表紙と記事に掲載
・精米麦機

2010年03月
・おがわ下里農場と周辺
・寒の戻り、花冷え
・精鋭隊が製麦施設構築の応援に
・中古プレハブ冷蔵庫の組立設置
・ビール麦の茎立ち
・落ち葉温床

2010年02月
・麦芽製造施設とシステムの工事
・コンデンシングユニット結線
・ニッポン放送The Voice of Farmersに麦雑穀職人が登場

2010年01月
・2回目の麦踏
・自給農場のひとこま

2009年12月
・『いなかスイッチ』2010冬号掲載、今号から連載
・『土から平和へ』の81ページに『半農半ブルワー』掲載
・『ajouter』2009/vol.17地元産が町をめぐるに掲載
・13日(日)麦踏み

2009年11月
・自給農場「不動橋北」
・麦とクローバが発芽
・麦芽製造施設とシステムを手づくりするページを開設
・第三回あったか祭り
・麦まき終了
・「のんびる2009年11月号」に掲載
・『創業事例集』No.17に掲載

2009年10月
・『種まき大作戦・地ビールチャレンジ』が11月8日スタート
・自給農場のヒトコマ
・麦類の種を差しあげます受付終了
・青山在来の枝豆が旬
・中古乾燥機到着

2009年09月
・ビ−チャレ参加者募集開始
・自給農場のヒトコマ

2009年08月
・自給農場のヒトコマ
・周辺の里山のヒトコマ
・ドクダミビールの原料を収穫
・里山ビールの原料実る
・ブルーベリーエールの季節

2009年07月
・小川町七夕まつり
・ブルーベリーの収穫開始
・黒豆と茶豆が旬
・今期里山ビール第一弾
2009年初夏収穫の麦類

2009年06月
・埼玉新聞朝刊1面トップに掲載
・読売新聞朝刊に掲載
・東京新聞朝刊に掲載
・しんぶん赤旗朝刊に掲載
・雑穀類配布の受付終了

2009年05月
・月刊酒文化に掲載
・あまぎ二条の穂が黄金色に

2009年04月
・金子ゴールデン、あまぎ二条、ライ麦が出穂
・立替送料を改訂

2009年03月以前のお知らせ

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2010年10月


J2010年10月28日 放任栽培と敷き草マルチ農法
 
 ズッキーニとインゲン。11月にもなろうとする肌寒い季節なのに両者ともに、2日おきに収穫している。このズッキーニは昨年、近隣の方から苗をいただいた。「韓国ズッキーニ」というらしい。昨年、放任栽培でよく実をつけたので、今年はその種を受けついだ。無肥料、放任で昨年よりも成績がよい。よく着果するし巨大に育ってもたいへん食感よく、香りもよく、美味しい。そしてなお、この季節になってもつぎつぎと着果して育っている。
 インゲンもこんな寒いのによく育つ。株の周囲にはクローバと夏草がぶ厚く敷き草してある。以前、インゲンは「三度豆」だと聞いた。年に三回作付けできるという意味なのだそうだ。ということは年に三回、株を更新するわけだから、意外に早く木が傷んでしまう育て方をされているようだ。
 ズッキーニは放任栽培、インゲンは敷き草マルチ農法。繰り返して、雑草や敷き草のなかには、多様ないきものたちが棲んでいる。雑草や敷き草はそうした生き物たちに快適な生活の場を提供する。もちろん、雑草や敷き草はいずれ腐植となって、土壌の物理性や化学性を改善向上するにしても、いいかえれば土壌に生息する生き物たちの生活環境を改善向上するわけだから、それらは結果的に作物の健全な生育に大きく貢献することになる。


J2010年10月24日 ポンプのメンテナンス
 
 1馬力のポンプの修理をおこなった。プロペラが本体に接触してキーキー音がうるさい。プロペラと駆動部を接続する軸の位置がずれてしまったためだ。
 この1馬力のポンプは醸造のいろいろな場面で使用する。頻度が高く移動が多いこととシャフトに大きな力がかかるためか、軸部分が弱い。ときどき軸位置を調整してきた。工具が適切でなかったのが原因で、右写真の右のネジ山が崩れてしまった。このネジ、ステンレス専用ドリルで除去してしまおうとして四苦八苦したものの除去できない。ま、左のネジが機能している間、なんとか凌ぐか。
 このポンプは2003年、カナダから新品を取り寄せた。500ドルだった。当時、「国内で買えば一桁高い」という話だった。


J2010年10月23日 麦類の種を発送
 
 麦類の種の発送を終えた。発送は期間内に申し込みをいただいた方々を優先した。期間外に到着した封筒の返信作業は種がなくなり次第終了となり、来年のあつかいとなる。なお、昨年、ライ麦は種の分だけの作付けのため在庫少量だったため、ライ麦の取り扱いはこれで終了。

J2010年10月22日 製麦システムの浸麦装置に使用する水槽(桶)を製作
 
 浸麦装置に使用する水槽(桶)を製作した。大きめのリサイクル風呂桶を念頭においたが、あいにくちょうどよいものが見つからなかった。30kgの麦を7袋に分けて、この水槽で浸麦する予定。施設に設置する際、断熱対策と給排水接続工事をおこなう。
 この水槽の材料は10年前に解体した書棚の廃材と朽ちたステンレス作業台の天板。両者とも母屋裏の軒下で埃にまみれていた。書棚の廃材はたくさんあって、いろいろな用途に活用している。付設パブではカウンター掲示板と本棚がそれ。
 水槽の底板にはステンレス作業台の天板を利用している。数ヶ所、面状に錆がでていたので全面を研磨ディスクで磨いた。

J2010年10月21日 アケビと自然薯のムカゴ −野生からのおすそ分け−
 
 実りの秋、アケビが食べごろ。ムカゴが収穫どき。両方ともに製麦施設のまわりに自生する野生。このアケビは施設対面の沢に設置したフェンスの金網にぶら下がっている。腰をかがめばもぎりとれる。しかし普通、野生のアケビは高木の樹冠から伸びる枝の先端の方にツルを伸ばして着果するので、一般に入手が困難。このように腰をかがむだけで容易におすそ分けをいただける野生のアケビは少ない。
 一方、自然薯(ジネンジョ)のムカゴ。自然薯は野生のナガイモであり、ムカゴはそのイモのツルに着果する小芋。山すその低木や篠竹にツルが巻きついているので、手をのばせば容易に収穫できる。直売所で見かけるムカゴは栽培種なので外見が違うし味がまるで違う。ジネンジョのムカゴは丸くて艶があり、ホクホクしている。ご飯に混ぜて炊くと、ご飯がたいへん美味しくなる。今年は大豊作となったので初の「自然薯ビール」に挑戦できそうだ。


J2010年10月19日 製麦システムの乾燥焙燥装置に使用するトレイを製作
 
 緑麦芽を乾燥焙燥するためのトレイを7個製作した。製麦システムの乾燥焙燥装置としては中古のシイタケ乾燥機を用意しており、すでに試験製麦に活用している。しかし、シイタケ乾燥機に付属の既成トレイはプラスチック製のうえに網目が粗いため別途、簡易なトレイをつくって使用していた。
 製作した乾燥トレイの材料は木枠、ステンレス金網1mmメッシュ、3φ鉄コンクリート用ワイヤー10cm×10cmメッシュ。製作を開始したのが9月28日。農作業が割り込む場合があるものの、延べ3週間かかった。こんな調子だから製麦施設・システムがなかなか完成しない。
 加工製作した部品点数が木枠本体で28個、ステンレス金網メッシュ7枚、コンクリート用ワイヤーメッシュ7枚、メッシュ間の金網押え168個、ワイヤーメッシュ押え28個で、製作した部品点数は合計238に及ぶ。既成の金具類は除いている。いかなる品物もできあがったものの部品点数を知ると「そんなに部品点数があるのか」と驚く。


J2010年10月13日 里山ビール(ヤマグリ)の原料、野生のシバグリを収穫
 
 このところ大地からおすそ分けに預っている野生は、ヤマブドウにはじまってネコジャラシ、ナラやクヌギのドングリ、野生ホップ、そしてこのシバグリ。これからはアケビや自然薯のムカゴがある。なんとありがたいことか。種まきせず、もちろん肥料もやらず、秋になったら、もいだり拾ったりするだけの手間。こんなことをいうとなんだか、農耕を知らなかった原始人のよう。裸足で四つん這いになって野山を走るヒトを想像する。
 野性のシバグリ。ヤマグリともいう。サイズは小さい。爪ほどの大きさである。が、味は最高。利平に似てホクホクしている。たしかに美味しい。しかし大方は、小さいから中身を取り出して食べるのがめんどう。こういう材料はビールに向いている。ビールの材料は砕いて仕込む。砕かれた実は麦芽の酵素力によって分子サイズの小さいアミノ酸や糖類に分解され麦汁に溶出する。皮のもつ成分、ポリフェノールやタンニンはビールに酷味を付与するし味を引き締めもする。
 ビールづくりではこうした原料を無駄なく活用できる。昔のヒトは偉かった。ビールづくりでは穀類、麦を製粉せず、まるごと砕いて仕込む。外皮も無駄なく活用できる。人類が農耕をはじめたころのチグリス・ユーフラテスでは、すでにビールづくりが盛んであったという。重ねて、昔のヒトは偉かった。しかし、今のヒトは情けない。この日本では免許なくビールをつくれば違法だという。なんとも情けない。


J2010年10月11日 野生ホップを収穫
 
 久しぶりに朝から快晴。湿気も少なく、すがすがしい。ほんとうに気持ちがいい。ホップの収穫日和だ。まず、毬花のサンプルを2つもぎりとって、ホップの成分を観察した。花びら(正確には苞、ホウ)をちぎって、付け根の部分を露出させる。付け根の部分に、黄色いネバネバした花粉に似たモノをまぶした粒がある。わずかに花の香りがする。野生種としては上出来ではないか。
 黄色いネバネバした花粉のようなモノがホップの要であり、これが苦味と芳香のもと。ルプリンという。ルプリンにまみれた粒は受粉していれば種なのだが、近くに受粉木となるオス株を置かないため、蒔いても発芽しない。 したがって、野生ホップとはいえ、人の手が入るわけだから完全野性ではない。
 今日は、ほんとうに素晴らしい収穫日和に恵まれた。午前中で半分収穫できた。午後は天日乾燥しよう。収穫中、大きなヤマカカシと身重のカマキリに出会った。この周囲では、いろいろな生き物たちが生息している。残り半分は彼らに残しておこう。


J2010年10月10日 s野生ホップの収穫期 s麦まき一ヶ月前
 
 野生ホップが収穫期となった。予報で晴れるという明日、収穫しよう。例年よりも2週間ほどずれ込んだ。 春の低温が影響して開花が遅れたが、たくさん毬花をつけた。ただし、今夏の酷暑と日照りの影響だろう、毬花が期待したよりも小さい。
 11月の麦まきに向けて、畑の準備がはじまった。まあ、常に田畑の状態や周囲の環境をよりよくする努力を怠らない百姓を自認するとすれば、田畑には通年それなりの作業があるわけだから、ことさら「畑の準備がはじまった」というのはおかしな話かも知れない。そこでここでは「11月の麦まきに向けて」と前置きしたわけだが、まわりくどく「麦の種を蒔きやすくするための準備」とする。したがって端的には、夏作物の残骸を片付ければよいことになる。こちらの写真は昨年の風景 。9月と10月、2回刈払いを実施して、5mから6m間隔で枯れ草を寄せた山を築いた。
 今年もすでに2回、刈払いを実施してある。ただし、今年は寄せた山をつくらず、刈払いの際、クローバーや雑草の茎を細断した。それでも、カットしたクローバーや雑草の茎が散らばっているうえに、常緑宿根のクローバーが点々と葉をだしている。両者が存在すると、蒔き溝が切りにくいし、蒔いた種に土をかけにくい。それよりも、この時期からご覧のような親株状のクローバーが茂っているようでは、これから麦の発芽や生育を邪魔するほどに大きく育ってしまうのではないか。。。早めに草カキを実施しよう。クローバーの開花は確認しているので、種が実って落下しているはず。ことによったら麦よりも早く発芽するか。麦との競合の程度はどれほどか。楽しみ。楽しみ。


J2010年10月7日 クヌギのメッセージ
 
 先月、9月8日。クヌギやナラの成熟したドングリがなかなか見つからないと書いた。たしかに、これまでは、ひとつ、ふたつ、その程度ならなんとか見つかった。ところが、今年は様子が違う。それも、この木だけが違う。今、作業中の製麦施設に隣接の、というより覆いかぶさっているクヌギの大木から成熟したきれいなドングリがカラン、コロンと、私の手元に落下している。それはそれでクヌギからの嬉しいプレゼントだと思いたいが、いくつか首をひねるところがある。
 (1)まだ早い。この地域の他のクヌギの木のドングリはまだ生育中ないし成熟中。まだ青い。(2)他の木の周辺には落下してない。自然林化が進むこの地域も常緑樹が目立ち始めているものの、落葉樹のほとんどが、クヌギ、ナラ、山桜であり、なかでもクヌギの大木が多い。その大木の周りを見てもクヌギのドングリはまだ落下してない。(3)枝の先端が枯れている。この木だけである。この周辺の地名を「兔平」という。この「兔平」全体を見渡しても、他に枝の先端が枯れてたクヌギを見ない。
 クヌギが私の想いを察知してドングリをプレゼントしてくれたのだろうとの有頂天な思いもある一方で、こちらの計画と行動がクヌギの彼には相当大きなストレスを与えているのではないかとも考えられる。そのひとつは、数年前から進めている伐採。数ヵ月後にはこのクヌギを伐採する予定となっている。さらに、この製麦施設を設置するために土地をいじくった。整地したり、柱を建てるために穴も掘った。こうした人間のやる身勝手な事柄にたいするクヌギのメッセージがこの現象なのかも知れない。改めて、周辺環境が変わって生活しにくくなったとしても、土に根を張った植物は別の場所に移動できない。環境の変化にたいしてきわめて敏感になるはずだ。それは土に根を張る百姓に通ずる。


J2010年10月6日 土と平和の祭典に向けた
ビーチャレビール
 『土と平和の祭典』(10月17日、日比谷公園)が会場設営のボランティアスタッフを募集しています。この祭典のメディア発表会(10月8日、ディクショナリー倶楽部ArtSchool)には9月25日仕込んだビーチャレ自給麦芽100%のビールが登場します。