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製麦施設と製麦システムづくり
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1バッチ30kg、年間製造量1.3トンの超小規模で簡易な製麦(麦芽製造)施設とFIFO式の超小規模で簡易な製麦システムを手づくりする。
FIFO式の製麦システムには7日間隔で原料麦を投入して、7日間隔で完成した麦芽が得られるように設計する。
製麦工程は粒揃、浸麦、発芽、乾燥、焙燥、根掻。このFIFO工程に最初に入ったバッチの原料麦が最初に麦芽となって出てくる期間は10日間。
年間稼働日数を300日とすれば、300日/7日≒43回の製麦ができ、30kg×43回≒1.3トン/年の麦芽が製造できる。これを仕上がりビールに換算するとおよそ6.5KL/年となり、当工房にふさわしいサイズ。
なお、このサイトにかんするお問い合わせは
製 麦 施 設
場所は自給農場・兎平
準備
作業内容:周囲の雑木(クヌギやナラ)を伐採する。予定地を整理して整地する。
周囲の雑木の伐採は2009年2月に一部実施した。残りを2010年1月から2月にかけて伐採する予定。伐採した雑木はキノコ栽培やストーブの薪に活用する。
予定地は15年間にわたって薪置き場にしててきた。あっちこちで頂いた倒木や剪定枝なども堆積してきたため、根塊や枝が適当に朽ちて山となっている。
先ずこれを整理してから整地する。
【左】予定地の西に立つ雑木。 【中央】根塊や枝が適当に朽ちて山となっている。 【右】予定地前の町道(12月上旬、落葉期)。左に予定地。右に沢が流れている。
電気工事
目的:夜間作業のための照明、施設や設備類製作加工に使用する電動工具の電源。
工事内容:施設の下流100mの自宅からFケーブルを引き100Vの電源コンセントを得る。
給水工事
目的:@浸麦工程。沢の冷水をかけ流して浸麦する。
A発芽工程。夏場、発芽装置に設置する熱交換パイプ内に、沢の冷水をかけ流して発芽装置内の温度を発芽に適した温度に冷却する。
工事内容:施設より6百m余り上流の沢から取水する。
すでに配管施工してあるが、施工埋設したのは1970年代のこと。配管は施設に接しているものの、10年余り使用してないため配管が外れていたり、小石や腐葉土が詰まっていたりする。
再生工事は@上流より順次下流に向けて配管を探り当てて、詰まりものを排出する。A新たな配管を150m余り追加埋設すればよい2010年6月訂正。
【左】取水口に向かう町道。 【中央】取水口、施設予定地よりおよそ500m。 【右】取水口周辺の沢。
点検のためのチーズ、栓が数箇所に設置してあるが位置が分かるのは一ヶだけ。配管を一部掘り出して継ぎなおしを要す。
【左】施設予定地よりおよそ70m上流。むき出て、繋ぎ部が外れている配管。
【中央】施設予定地よりおよそ150m上流の点検柱。高さ2m。かつて機能していた頃、大雨の日にはこの柱の最上部から水を噴出していた。
【右】施設予定地より400mほど上流。町道の脇。この辺に点検栓があったはず。
廃水工事
目的:浸麦装置や熱交換パイプ内にかけ流した沢の水を、町道を挟んだ対面の沢に放流する。
工事内容:排水パイプの配管。施設に接している町道を横断する溝を掘って、排水パイプを埋設する。
建物工事
目的:発芽装置、浸麦装置、乾燥焙燥装置、根掻き装置を収納する。
工事内容:不動産にならないよう、掘っ立て小屋形態をとる。
製材所より端材を頂いてきて建築する。
すでに小さいながら屋根つきの小屋(下の写真)が存在するので、サイズは小さくてよい。30平方メートル以下を予定。
パイプハウスの設置工事
目的:@好天の日には麦芽を天日乾燥する。Aなにかと便利。
工事内容:パイプ、金具類とビニールを購入して設置工事をおこなう。
サイズは小さくてよい。50平方メートル以下を予定。
予定地(https://www.craft-beer.net/archives/farmingFarms.html#3より)。
製 麦 シ ス テ ム
選別装置
目的:麦の大きさをそろえる。
製麦のためのビール麦には多くの要求事項があり、それら諸要求にこたえるためにビール麦はさまざまな方法で「精選」をおこなっている。そのうちの代表的な項目が、発芽力が高く、発芽揃いが良く、千粒重が大きいことである。ここでは上記三つの代表的な項目に鑑みて、穀粒の大きさをある一定以上に揃える選別装置を導入する。
Note:発芽揃いを要求するのは、芽が一定の長さに伸びた時点で即、発芽止めを実施するため。
工事内容:万石が活用できるか。
浸麦装置
目的:沢の水を麦にかけ流して、発芽に必要な水分を与える設備を用意する。バッチあたり最大30kg。30kgの麦は7分割してネットに収納する。
工事内容:30kgの麦を余裕をもって浸すことができる桶を用意する。容積0.5立方メートルほどで十分。麦は「浸麦」により45%ほどの水分を得る。容積は1.6倍ほどに膨らむ。
浸麦時、桶の下部より給水、上部よりかけ流し排水するよう配管する。別途、桶洗浄のための排水口も設置する。
発芽装置
目的:発芽に必要な温度、湿度、空気の循環を管理する。
工事内容:@ネットに収納した浸麦原料麦を収納する受け網を7個製作する。受け網のサイズは70cm×70cm、高さ5センチ。
Aその受け網を収納して温度、湿度、酸素(空気の循環)を管理するラックを製作する。
温度制御=15℃が理想。夏場、沢の水をループパイプに通してかけ流し冷却する。ただし冬場、暖房ができない(課題1)。
湿度管理=発芽中、麦の水分率を40%以上に保つ。装置は半密閉構造。加湿器を設置の予定。日に一度、手の感触で判断して、乾燥気味なら水をスプレーする。
空気の循環=半密閉構造の装置。ファンモーターを常時運転するとともに、小型ベンチレーターを設置する。
乾燥焙燥装置
目的:湿度10%ほどまで低温乾燥しつつ発芽を止めてその後、焙燥する設備を用意する。
晴天の場合はパイプハウスを利用して発芽止めと乾燥をおこなう。
雨天の場合は中古シイタケ乾燥機を入手して再利用する。
悪天候の際は中古シイタケ乾燥機を利用する予定。エール麦芽への焙燥もこの乾燥機で可能なはず。焙燥温度が120℃を越える特殊麦芽への加工は駅前の工房内の製パン用オーブンでおこなう。
【左】2009年10月14日、オークションで落札(5万円)した中古シイタケ乾燥機が工房の駐車場に到着した。
運送会社の書類では600kgというので、陸送トラックから愛車の軽トラに横滑りさせて移動。実際はパレット込みで100k程度。
【中央】軽トラの荷台で分解してから、拙宅の物置の軒下に移動する。分解の目的は移動のためばかりでなく、
乾燥機の原理を把握することと間接熱源かどうかを確認すること。
【右】間接熱源を確認。熱源が石油バーナーだから直火では困る。
熱交換器が組み込まれているかどうか分解チェック。
送風口の向こうに行ったり来たりの煙突が熱交換器になっている。きわめて簡易な熱交換器だがひとまず安心。
ただし乾燥、焙燥は24時間運転だから無人になる場合が多いので、過熱安全装置を三重にする。
根掻き装置
目的:発芽に先立ち伸びた根、発芽中も伸びた根を掻きとるための設備を用意する。
工事内容:穀類の調製に活用中の古い還流式精米機を利用する。
2009年7月19日、ライ麦の選別に活用した例を示しましょう。根掻き作業はこの作業よりも短時間で済む。
当農場の脱穀機では脱穀後も芒(ノギ)が残るし、おおきなゴミをフルイで篩った後でも、数センチから10センチほどの長さの茎や籾殻が混ざっている。
そこで以下のように還流式精米機でそれらいわゆるゴミを粉々に砕き、最後に箕選をおこなっている。
【左】フルイでも選別できない芒をはじめ数センチから10センチほどの長さの茎や籾殻。中央の盛り上がりは下部から還流している穀粒。
【中央】動力源はいわゆる発動機。
【右】還流式精米機から排出された選別ゴミ。見事に調製する。
なお、この還流式精米機は還流の構造上、投入する穀類の量がおよそバケツ一杯以上必要。
焙煎装置
目的:黒麦芽やデュンケル麦芽など特殊麦芽を製造する。
工房で使用している製パン用のオーブンを利用する。
工房で使用している製パン用のオーブン。
貯 蔵 庫
目的、貯蔵庫の役割:収穫した麦を休眠させる/貯蔵する。できあがった麦芽を貯蔵する。
工事内容:自宅の西側に自ら建築した物置を改造する。改造内容は断熱工事と冷却機の設置。冷却機は一般のエアコンを利用できるか。貯蔵温度は10℃が望ましい。通気も大切。
西側に自ら建築した物置を利用する理由は@この物置に西日が射さないことに加えてA屋根が断熱済みであることによる。
ただし湿度の高い場所なので床下に空気を送り込み排出させるベンチレーター回路とブロアーの設置を要す。
準備
目的:すでに存在する物置だけに、ガラクタが収納してあるのでこれを整理して空の建物とする。
作業内容:ガラクタの廃棄と移動作業だがこれが結構大変で、思い立つ前から順次片付けてはいるのだが、なかなか進んでいない。
手順:自宅の東にも自ら建築した物置がある。この東の物置に、西の物置に収納した保存すべきるガラクタを移動するのだが、東の物置にも同様にガラクタが収納してある。
したがって@先ず、ガラクタ置き場を用意する=母屋で使用していない旧子供部屋のロフトを整理する。整理したモノを屋根裏に移動する。
A次に、東の物置を整理する=不要なモノを廃棄して、捨てがたいモノを母屋の旧子供部屋のロフトや屋根裏に移動する。とはいえ、一つ一つのモノが大切な思い出の宝物だけに廃棄できず苦労している。
B最後に、西の物置(貯蔵庫予定)を整理する=不要なモノを廃棄して、、捨てがたいモノを東の物置、母屋の旧子供部屋のロフトや屋根裏に移動するのだがこれも苦労している。
【左】東の物置。廃材でつくった手製。外壁は杉野地板。2009年12月6日、片付け作業中。
【中央】東の物置を片付けている際に出てきたシンクロスコープ。
1970年代、コンピュータアプリケーション研究所を設立起業したときに先輩、(有)電子装置の社長・千葉さんからいただいた。
30MHz。当時の技術レベルではこれで十分だった。
【右】西の物置。廃材でつくった手製。外壁は檜床板。出入り口の右にシイタケ乾燥機が見える。
電気工事
Fケーブルを母屋から地中に埋設する。Fケーブルは水道配管用パイプを通す。
建物工事
すでに存在する物置を利用する。
工事の手順
@床下に空気を送り込み排出させるベンチレーター回路とブロアーを設置。
A内壁の一番外側にネズミ対策の鉄板を張る。
B次の内壁に断熱材、スタイロフォームを貼る。
C最も内側の内壁を張る。
D扉を設置する。
E冷却機を設置する。
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